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交通事故で意識不明になり回復

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1 交通事故で意識不明の後に回復した場合の注意点

 交通事故で頭を打ち,意識不明の状態が続いたが,その後,意識を回復し元気になったということは良くあることです。
 しかし,一見完全に回復したように見えても実際は脳に損傷を受けていることがあります。
 そこで,交通事故で意識不明に陥ったのち奇跡的に回復した場合,その後どのように対応して行けば良いのかについて説明していきます。

2 高次脳機能障害の見逃しについて

 交通事故で頭部を打撲し意識を失った場合,高次脳機能障害の可能性があります。
 高次脳機能障害とは,簡単に説明すると,大脳が損傷を受けたことによって,認知障害,行動障害,人格変化が起こることを言います。

 重度の高次脳機能障害の場合には,明らかな認知障害,行動障害,人格変化が生じることが多いことから,一見して高次脳機能障害であることが分かると思います。

 しかし,軽度の高次脳機能障害の場合には,なんとなく物覚えが悪くなった,少し性格が変わったなど,現れる変化が小さいことから見逃されることが往々にしてあります。

 また,交通事故に遭った後,意識が回復するまでの間治療にあたる医師は通常脳外科の医師ですが,脳外科の医師が,必ずしも高次脳機能障害の専門であるとは限らないことが高次脳機能障害が見逃される大きな原因であると思われます。

3 このような人は注意が必要

 事故で頭部に強い衝撃を受け,昏睡状態若しくは半昏睡状態が6時間以上継続した場合は,高次脳機能障害になる可能性が極めて高いと言えます。
 また,昏睡状態や半昏睡状態の時間が短時間の場合でも,脳挫傷・脳出血と診断された場合には脳が損傷を受けている可能性が高いので,周りの人が,事故以前と何か変化はないか,事故以前は出来ていたことが出来なくなっていないか,性格が荒っぽくなっていないかなどを慎重に観察してあげる必要があります。

4 高次脳機能障害の後遺障害等級について

 高次脳機能障害の程度に応じて,後遺障害の等級が認定されますが,高次脳機能障害で後遺障害の等級が認定される場合は,通常一番低い等級でも9級です。
 したがって,仮に高次脳機能障害を見逃してしまった場合,本来受けることが出来る数千万円の賠償(9級の後遺障害慰謝料は赤い本の基準で690万円であり,それに遺失利益を加えると数千万になることは往々にしてあります。)を受けることが出来なくなってしまいます。

5 どのように対処すべきか

 脳神経は,一度損傷すると元に戻ることはないとされていますので,事故後早急に対応しなければ後遺障害の等級認定がなされないという種類の障害ではありません。
 したがって,焦る必要はありません。
 もっとも,専門医による診察及び検査を受けなければ高次脳機能障害であるか否かは分かりませんので,少なくとも症状固定の時期までに診察及び検査を受ける必要があります。
 検査は,様々なテストを行い,いかなる部分に障害が生じるかを絞り込んで行きますので,長期間の検査が必要になります(入院検査だと1週間程度の入院で済みますが…)。
 したがって,ご自身の生活状況を考えて,診察及び検査の計画をしておくことが大切です。

6 注意すべきこと

 脳外科の医師は,高次脳機能障害の専門医でないことの方が多いことから,脳外科の医師が,必ずしも高次脳機能障害の対応した診察・検査・後遺障害診断書の作成が出来るとは限りません。
 したがって,高次脳機能障害が疑われる場合には,必ず高次脳機能障害を専門に扱っている医師の診察及び検査を受けて下さい。
 保険会社に対し,高次脳機能障害ではないかと訴えたところ,保険会社から,受診している医師に後遺障害診断書を作成して貰うように言われたので,医師に後遺障害診断書の作成を依頼したが,その医師が高次脳機能障害の診断を行うことが出来ない脳外科の医師であったというようなことは避けたいものです。
 いずれにしても,上記の通り,高次脳機能障害の診断には,長期に及ぶ検査が必要ですので,長期の及ぶ検査を受けていない場合には注意が必要です。

7 まとめ

 高次脳機能障害は,本人もその症状に気づかないこともありますので,事故で頭部に強い衝撃を受け,昏睡状態若しくは半昏睡状態が6時間以上継続した場合には,念のため,高次脳機能障害の専門医の診察を受けましょう。

 当事務所は,高次脳機能障害を専門に診察しておられる医師の紹介を行っておりますので,高次脳機能障害が疑われる方はお気軽にご相談下さい。
 また,交通事故の被害者を多く治療されている整形外科医の紹介も行っております。
 弊所は,交通事故の法律相談は初回無料です。

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